肩関節の腱板断裂とは?

137月 - による ナカタイ - 0 - 怪我の話

野球選手に多いけがの一つとして腱板断裂、または腱板損傷とういものがあります。

肩のインナーマッスルの怪我ですが、その発生機序や肩関節の構造を知ることで予防できる可能性はあります。

今回は腱板断裂のしくみについて学んでいきましょう。

1腱板断裂の発生機序と病態

腱板とは棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋から構成される腱板筋と関節包、関節上腕靭帯を総称したものを指します。

腱板、関節包の構造

腱板筋の役割は主動作筋としての役割と肩甲上腕関節の安定化機構としての役割があります。つまり肩を安定して動かすということですね。

腱板筋の主動作筋としての役割

腱板の安定化機構としての役割について、骨頭求心位を保持することで安定化を担っています。

depressor機能とforce coupleと呼ばれる機能的役割があります。

depressor機能
force couple

depressor機能は棘上筋の収縮によって骨頭求心位を保持させ、三角筋の筋力効率が高まることで、force coupleは肩甲下筋と棘下筋が同時に収縮することで、水平面での骨頭求心位を保持しています。

そのため、腱板断裂すると腱板機能が低下し、挙上運動に伴い骨頭が上方に偏移し、肩峰下での痛みや可動域制限が起こります。

骨頭求心位の乱れ

2断裂の原因

原因は大きく2つに分けると、外傷性と非外傷性に分けられます。

外傷性の断裂は「転倒して手をついた」や「肩をぶつけた」など外力に起因した場合です。野球で投げすぎて痛めてしまって場合は非外傷性に分類されます。

関節内で棘上筋や棘下筋が挟み込まれたり衝突(インピンジメント)を繰り返すことで生じますが、肩甲胸郭関節や体幹の機能低下によって生じた肩甲骨の運動機能不全が原因になることが多いとされています。

肩甲骨上方回旋と後傾が少ない場合
肩甲骨上方回旋と後傾が十分の場合

上の図のように肩甲骨上方回旋と後傾が少ないと肩峰下の狭小化が生じてしまい、インピンジメントの原因になりやすくなります。

こうしてみると、やはり肩甲骨と胸郭の柔軟性はとても重要ですね。パフォーマンスアップはもちろんですが、怪我の予防のためにはストレッチは必須です。しっかり行いましょう!

いかがでしたでしょうか。

今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。

少しでも皆様に参考にしていただければ幸いです。

また次回よろしくお願いいたします。

では!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です